大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和32(オ)300 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

本件各手形がいわゆる融通手形であるという上告人の抗弁につき、原審は証拠に

基き融通手形ではないと判断をしているのであつて、右事実判断に所論の違法はな

い。

また、本件各手形の金額は当事者間に争のないところであり、原判示不渡手形の

金額は原判決の挙示する証拠によつてこれを認め得る。

所論は結局原審の適法にした事実認定を非難するにすぎないものであつて、とり

得ない。

同第二点について。

原判決の確定した事実によれば、本件各手形には、(イ)受取人たる被上告会社

から訴外合名会社Dに対する裏書(ロ)同訴外会社から訴外株式会社E銀行に対す

る裏書(ハ)同訴外銀行から訴外株式会社F銀行に対する取立委任裏書(ニ)所論

補箋になされた前記訴外合名会社Dから被上告会社に対する戻り裏書が存したとこ

ろ、右の内(ロ)の裏書は訴外合名会社Dが被上告会社に戻り裏書をなすに当つて

同会社により、また、その他の各裏書はすべて本件口頭弁論終結前被上告会社によ

り、それぞれ抹消されたというのである。されば、上告人の裏書不連続の抗弁は、

補箋と手形との間に契印を要するや否やの判断をするまでもなく、当然理由なきに

帰したものであつて(手形法一六条参照)、右抗弁を排斥した原審の判断は結局相

当であり、所論のような違法はない。

また、本件約束手形二通の振出以前に存した金額一〇五〇〇〇円の約束手形振出

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人が、上告人個人か或は上告人が理事長たる原判示組合であるかは、本件各手形が

融通手形であるか否かの判断に影響を及ぼすべき事項とは認められないから、仮に

前記手形振出人の認定につき原判決に所論の違法があるとしても、右違法は原判決

に影響を及ぼすこと明らかな違法というを得ない。

その余の論旨は、単なる事実認定非難に帰する。

されば、論旨はいずれも採用し難い。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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